読書感想文
「作家のソノミ甘くない生活」(群ようこ)
※629文字※
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中年で独り身の女性作家が、毎日の生活をボヤいてみたり、おっとりした叔母と年々性格が捻れていく母の間でヤキモキしてみたりという平凡な日常を綴った話です。
特段の事件もニュースもなく、終始、淡々と過ぎる毎日が描かれているという不思議な本です。
人気作家の群ようこさんの本ですが、不思議と心が落ち着くんです。
この方の作品はどれも平凡な日常を淡々と描いているのが特徴です。
中年女性の目線から何でもない日常が語られており、複雑な人間関係も事件もない分、時間を開けて途中から読んでもそんなに違和感がありません。
難しいことを考えたくない時や何にもない休日の昼下がりに横になって読みたい本です。
私がこの本を読んだのは、旦那に腹が立って仕方なくて、怒りで夜も眠れず3時間程布団でイライラしていた日でした。
目を閉じて寝ようとしても、考えれば考えるほど怒りは溜まっていき、どうしても眠ることができず、目がギンギンとしていました。
仕方ないので眠気が来るまで読もうと開いたのがこの本です。
不思議なことにあんなにイライラしていた心の中にすっと入ってきて、この淡々とした感じを読んでいると自分でも驚くほど怒りがおさまっていきました。
無になれるというか、新たな悟りを開いた気がします。
ソノミのボヤキのように、自分の怒りも周りから見れば大したことではなく、よくあることだと
気付かされました。
おかげでぐっすり寝ることができ、それからはムシャクシャすることがあると、この本を手に取るようにしています。
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