「そして誰もいなくなった」(アガサ・クリスティー青木久惠訳)の読書感想文 書き方の例文1415字

 

読書感想文
「そして誰もいなくなった」(アガサ・クリスティー青木久惠訳)
※1415文字※

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アガサ・クリスティー。ミステリー好きならば知らない人はいないと思います。

永遠の名作と謳われるミステリー作品です。

私がこの本を知ったのは、ある映画がきっかけでした。

藤原竜也が出演しているので観た映画、「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」です。

時給11万円という高額な求人に釣られてある館へ集う男女。

そしてその館には12体のインディアンの不気味な人形が置かれているのです。

私はまずその12体の人形が、殺人と共に人形の表情がまるで変わっていくように思えたことが衝撃でした。

心理的恐怖によって、人形の表情がにんまりと笑っているように見えたり、その目にじっと見られているような感覚になっていくのです。

そしてこの人形による演出は、「そして誰もいなくなった」というアガサ・クリスティーの小説がオマージュになっているとのことでした。

現代にいたるまで様々な作品に影響を与えている名作なのだとか。

さっそく「そして誰もいなくなった」を手に取った私をさらに驚かせたのは早川書房クリスティー文庫の冒頭に書かれているアガサ・クリティーの孫からのメッセージでした。

実はこの数ページに、この小説の結末がさらりと触れられているのです。

ミステリー小説を読む前に結末を読んでしまうはめになったのは初めてのこと。

正直私はとてもがっかりしました。

結末を知ったミステリーを読んでも果たして面白いのだろうかと。

しかし、逆に言えばあまりに有名すぎて誰もが知っている結末なのだということなのかもしれません。

まず、小説は10人の男女がある孤島に招き寄せられるという、映画でも感じたなんともきなくさい設定から始まります。

古くさい設定だなあなんて思いながら油断していた私を前のめりにさせたのは、突如館に響いた犯人不明の「声」でした。

その「声」はあることを告発するのですが、まるで私が告発されているかのような臨場感。

突如その瞬間がやってくるタイミングも本当に絶妙なのでした。

そしてこの告発はとても重要な意味を持っていることにだんだんと気付いていくことになります。

告発によって、すべての登場人物の誰もが怪しくてしようがなくなるという効果があらわれるのです。

ひとりひとり、古い童謡の内容に合わせて殺されていく。

そこに人形も共に一体ずつ消えてゆく。

たったそれだけの設定で、これだけ読むといたってシンプルだと言えます。

しかし、このシンプルさの裏に潜むのは実は緻密なあらすじであり、最後の数人になってもなお犯人がわからないというもどかしい落とし穴に陥ることになるのです。

この本を読んだ人は誰もが解き明かすことができないラストに息を呑むと言います。

そして私もそのひとりでした。これは芸術と言っても過言ではありません。

最初にあらすじが書いてあったのでがっかりした、だなんて油断していた私が浅はかだったのです。

淡白な文章が逆に私の想像力を奮い立たせ、「声」は誰なのか、何故いつ誰が人形を持ち去るのか、そして何故あの時は、というようにページをめくる手は止まりません。

結局私はその日最後の1ページをめくるまで眠ることができませんでした。

世界のミステリー傑作と呼ばれる「そして誰もいなくなった」が何故名作なのか。

それはそれだけの理由があるのだと読んでみてやはり気付くものなのです。

図書館で借りて読んだのですが、次の日、私は本屋でこの本を購入しました。

次はアガサ・クリスティーの何を読むべきか、そればかりを考えています。

 

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