「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(七月 隆文)の読書感想文 書き方の例文1262字

 

読書感想文
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(七月 隆文)
※1262文字※

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「ごめんなさい」告白をしてフラれることはとても悲しく、落ち込むことです。

私自身も、例に漏れず、たくさん心にぽっかりと穴が空き、不謹慎ながら学校の授業中も上の空の彼方ーーなんてこともありました。

本には古来より多くの恋愛小説がありますが、私は自分自身に足りない、もしくは欲している恋慕の情やそれに伴う様々な体験・感情を、人は無意識に求めているからだと思います。

穿った見方をすれば、生物的種の生存本能に基づくものなのかもしれませんが、そう考えてしまうと余りにもロマンに欠け寂しいので、私は前者を押します。

自分の様々な経験から、本屋に立ち寄ると、派手なポップと積み上げられた恋愛小説につい私は目を留めがちになってしまうのですが、この 七月 隆文著 『 ぼくは明日、昨日のきみとデートする』も、その一つでした。

失礼ながら所謂、「いかにも」な題名に「泣いた」との誇大広告めいた文句・・・・・・

心の中で嘲笑しつつも、世間の支持を得ている恋愛小説とはどんなものなのか、という好奇心、はたまた前述の無意識の要求によるものなのかは未だにわかりませんが、何の気なしにそのタイトルを手に取りました。

ファンタジーやSFに見受けられるような設定を軸に、恋愛の浮き沈みを描いている本作ですが、伏線もわかりやすく、文体も非常に読みやすいので、拝読している最中は、サラっと読みやすいという印象を覚えました。

しかし、物語の終盤、エピローグを読破し終えたとき、本作の評価は一変します。

それは、決してどんでん返しがあったわけでもなく、オチが予想外の衝撃的なものでもありませんでした。

むしろ、静かに劇中の幕が下りたようにさえ思えます。

では、何故なのか。

それは、読了後、この作品を後ろの章ごとに読み始めたいと自然と思えたからです。

もう一度、読み返したい作品は多々ありましたが、このように後ろから読み返したいと感じた作品は生まれて初めての経験でした。

正直に言いますと、私はこの主人公の男性が苦手でした。

が、この恋愛小説ではヒロインの魅力を通じて、本文では詳しく描かれなかい、残された想像の余地から、主人公の評価でさえ考えさせられます。

加えて、タイトルから、ある程度予想が付く話の主軸から、このような新鮮な気持ちになれたことに驚く自分を発見することもでき、狼狽さえしたほどでした。

本作の仕掛けから、私は人を想うことの大変さと共に、一途な気持ちがこんなにも美しいものなのだと伝え、伝わりました。

フラれて、悲しんで無気力になっていた自分はきっと、「付き合う」ということが目的でゴールだったのだと、今では反省に近い思いを抱いています。

本番は好きな人と付き合ってから先、または、その以前からその相手の幸せの為に、独りよがりにならずに行動できることーー本作の主題から外れる部分もありますが、一組の恋人たちから私は学びました。

読後感はすっきり爽やかに。本気で誰かを想える人に出会いたいと思うとき私はふと、綺麗な気持ちを求めて、 『 ぼくは明日、昨日のきみとデートする』を手に取ります。

 

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