「みをつくし料理帖」(高田郁)の読書感想文 書き方の例文2000字

 

読書感想文
「みをつくし料理帖」(高田郁)
※2006文字※

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個人的に歴史小説が大好きです。

その中でも最近注目して呼んでいるのが高田郁さんの小説です。

もともと歴史小説といえば、幕末の志士や戦国時代といった少し男性的なイメージの小説が多い中、高田郁さんの作品は少し違ったところに焦点を当てた作品が多いところが特徴です。

商売や女性の生きかたというところでしょうか。

今回、私がご紹介したいみをつくし料理帖もそんな作品の中のひとつです。

既に本編は書き終えていて、単行本で10冊にのぼる大作です。

NHKのドラマにもなり、漫画版まで発行されている人気作品です。

この作品の時代背景は1800年前後の江戸時代です。

もともと、主人公である女性の澪は大阪の料理店に修行の身で働いていたところ、火災で江戸に渡り、再度江戸で大阪の老舗を復活させるために女性ならではの観点でさまざままな料理、献立を考えていく。

さらには幼馴染で吉原で働く女性をお金を稼いで何とか自分たちと同じ世界に取り戻したいという高い志、決意を持って働いていくわけです。

実写版ではないものの作品の中では主人公の澪は格別美人として扱われているわけではなく、あくまでも見た目はかわいい一般的な女の子として描かれています。

そんな彼女をいつしか応援してくれる男性陣も現れてくるところが非常に頼もしいところでもあります。

最後にはこれがどうなるかも作品を読み続けていく中でのお楽しみの一つになってきます。

さて、この当時、女性は日本ではいろいろな小料理屋が立ち並んでいて大阪でも江戸でもそれぞれが腕を競い合っていたという事実さえ、この作品を通じて始めて知ったほどです。

そして、江戸では相撲の番付のようにランク付けされているところなど、自分自身歴史が好きで勉強していましたが、学校の勉強ではまず出てこない日常的な話題だったのではないでしょうか。

実際、この作品の中に出てくる献立に関しては別冊で発売される冊子の中でも紹介されていて、お料理が好きな方には再現することができるようになっています。

わたしも和食が好きなのでこの作品の中に出てくる澪のお料理を家内にいくつか再現してもらったほどです。

質素でしかし、和食のおいしさが本当体感で来るものばかりで、こうした食事を続けていれば間違いなく体にはいいのだろうなと思いました。

ここまでどうしても料理にばかり注目してきましたがこの作品の見所はなんといっても主人公である澪の女性ながらも料理という自分の職業を通じて、自己実現をはかっていく様です。

大阪の老舗料亭の復活、幼馴染を吉原の遊郭から救い出すという大きな二つの目的。

しかしながら、当時は女性の料理人はあまり認められていませんでした。

また、大阪から江戸に出てきた料理人などなかなか受け入れられるような環境にもありません。

そんな彼女が周囲の人間に支えられながら自分なりの献立を考えていかに周囲に料理で笑顔になってもらうかを考える様は本当に誇らしくもあり、ほほえましいところもあります。

作品は10冊に及びますが、彼女の前には水害や火災、ライバル店の策略など、若い女性にとっては厳しいというほかない高い壁がいくつも立ちはだかるのですがそれをいつも料理の力で超えていくパターンになっています。

もちろん、周囲の力、目的を持っているからというところがあってこそのものです。

いつの時代も女性はなかなか社会で活躍することは難しいのだなと思います。

特に江戸時代となるとまだまだ言葉は悪いですが男尊女卑の文化が強く残っていて、ここに異論を唱える人間もいないといったほうが良いくらいです。

そんな中で女性が活躍していく姿を力強く描いたこの作品は非常に貴重なものだと思います。

作者の高田郁さんの作品には同じような時代背景で女性だけではなく、社会的弱者が商売などを通じていかに社会で活躍していくかという作品も数多くあり、非脳に賛同で来るところがあります。

そんな中でもやはり女性の料理人というテーマはなかなかこれまで読んだことはありませんでした。

自分自身が澪という主人公の料理人の立場ならここでどのような選択肢を選んだであろうかというときに同じような間違った選択をすることもあったかもしれません。

しかし、この作品では澪自身が間違いを犯そうとしたところを周囲の大人たちが正していくという形がいくつも見られます。

主人公そのものが絶対的な存在ではなく、料理人としてだけではなく、人間として女性としても成長を図るところが大きな見せ場にもなっています。

実際に物語の最初と最終巻の主人公澪は数年間の間で非常に大人になっています。

料理人としても名を成すことになり、最終的には人生の大きな目的をも達成したことになります。

作者の高田郁さんもさまざまな人物に焦点を当てた外伝などをゆくゆくは、書きたいという意向を表明しています。

しかし、ファンとしてはそれどころか続編をさらに構想の上、描ききって欲しいと思う次第です。

 

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