「スエロは洞窟で暮らすことにした」(マーク・サンディーン)の読書感想文 書き方の例文1200字

 

読書感想文
「スエロは洞窟で暮らすことにした」(マーク・サンディーン)
※1304文字※

広告

この著者マーク・サンディーンによる「スエロは洞窟で暮らすことにした」は、モノであふれかえっている現代社会に多くの疑問を投げかけるような一冊です。

私たちは今一度立ち止まって、自分の生き方について、日本と世界の未来について考えなければならない、そんな大きなメッセージをもらったような気がしました。

この本の主役であるスエロという人物は、お金を一銭も持たずに生きています。

年金も税金も支払いません。

その代わり、物乞いをすることもないですし、人とのかかわりを拒んだ世捨て人でもありません。
そして、飢餓や病気に苦しむほど貧しくもなく、彼の心はいつも幸せで満たされているというのです。

私たち日本人には到底考えられない生き方ではないでしょうか。

ですが、彼は見栄や頑固さでそう言っているのではなく、本当に幸せだと言うことがこの本を読んでいて理解できます。

また、感心させられる点は、彼がこの生き方を “自ら積極的に選んだ” というところです。

スエロは大学も卒業していますし(アメリカの大学は日本より卒業が難しいと言われています)、育った環境も裕福で精神的に不満足があるわけでもないのにも関わらず、です。

といっても、突然思い立ってこの生き方を選んだわけではありません。

青年時代、友人や保守主義者と生きることや神について語り合ったことや、うつ病の発症、ゲイである自分との葛藤、長い放浪生活など、様々な経験と想いを抱えながら生きてきたこその結果なのです。

この本の著者は、スエロ自身ではなく、知人でありノンフィクションライターのマーク・サンディーンです。

彼はスエロのことをより理解するために、綿密に詳しく話を聴いたり、行動を伴にしたりします。

その中で、マーク自身も自分の生き方について戸惑いと疑念を持つようになっていく場面も描かれています。

「スエロがこっちを見て笑うと、貨幣経済の中で安寧として生きている自分が非難されるように感じる」というような趣旨の想いもつづられています。

当然スエロには彼をバカにするような意志はありませんが、マークの気持ちは私も少しわかるような気がしました。

自分が本当に愉しく生きているかと問われているような感覚です。

マークの人生は、お金に対して人並みの愛着は持っており、仕事や生活も順調でした。

ところが2008年のリーマンショックで資産や仕事が大きく減り、お金と人生について考えざるを得なくなります。

その頃彼はスエロとは出会っており、スエロの生き方や精神は知っていました。

それだけに彼にとっては「お金は幻想だ」と主張してきたスエロの言葉に心を打たれたのではないでしょうか。

私がスエロに学んだのは、日本人も農耕民族に戻って貨幣経済と資本主義社会をぶっ壊そう、などということではありません。

また、私は彼の生き方を真似しようとも思いません。

ただ、彼の精神はずっと持っておきたいと強く感じています。

お金を稼ぐこと、好きなものを買うこと、年金を払うこと、こうした私なりの生き方は続けながら、それに依存しない精神です。

少なからずスエロと同じ想いを持っていた私にとって、この本に巡り会えたことは何よりの人生からの贈り物だと感じました。

 

⇊本が欲しくなった方はこちらから⇊