「舟を編む」(三浦しをん)の読書感想文 書き方の例文1200字

 

読書感想文
「舟を編む」(三浦しをん)
※1235文字※

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私はふと、勉強机の上に置かれている国語辞典に目をやった。

この一冊を作るのにどのくらいの労力がかけられているのか。

今まで考えたことがなかった。

言葉の意味、というのは昔から変わらず決まっていて、どこかにそれをまとめたデータがあって、出版社はその中から掲載するものを選んで載せている。

深く考えたこともなかったが、ぼんやりとそんなイメージを持っていた。

「舟を編む」。

この本は、私のそんな思い込みを見事に打ち砕いてくれた。

この物語には、辞書の編纂に関わる人々の努力・苦悩・驚き・喜び。

そういったものが凝縮されている。

言葉の意味は、時代とともに変わっていく。

例えば「すごい」という言葉は、昔は恐ろしいという意味で使われていたそうだ。

しかし、時代とともに、すばらしい、など賞賛の意味も付け加えられていった。

今では、後から付け加えられた意味の方が主で使われていて、おそろしいという意味で使うことは少ないのではないだろうか。

このように現代と昔で言葉の意味が変化しているものがあることは知っていた。

しかし、出版社や編纂者の意図によっても言葉の意味が変わることは驚きだった。主人公は、あるときこんなことで悩む。

「恋」という言葉の意味を辞書で調べると、「異性を親しく思うこと」といった表現でけ掲載されている。

しかし、同性に好意を寄せている人がこれを読んだらどう思うだろうか。

自分の気持ちはいったい何なのだろうか。

恋とは呼べないのだろうか。

同性を好きになった自分はおかしいのだろうか。

そんな風に感じるのではないかと主人公は考えたのだ。

そして、「異性」を「他者」に変えてはどうだろうかと考える。

私はこのシーンで衝撃をうけた。

言葉の意味、というのはその人の考え方や思い込みによって簡単に変わってしまうものなのだ。

主人公達、つまり、辞書の編纂者たちは、そんな言葉の変化と常に向き合い、悩み、限られた字数の中で、なんとか納得できる答えを探そうとしていた。

 私は今まで、こんなにも一つのことに真剣に向き合ったことがあっただろうか。

主人公の姿を思い浮かべながら、私は考えた。

私は飽きっぽいところがあって、勉強でも部活動でも、ある程度上達したあとに壁に当たると、そこで飽きてしまう。

どうやったら壁を乗り越えることが出来るのか、考えるのをやめてしまう。

もし、壁にぶち当たったときに、真剣に向き合い続けたらどうだろう。

もちろん、すぐに答えはでないだろう。

答えは1つではないだろうし、正解と言えるものがないときもあるかもしれない。

辞書作りもきっと同じだ。言葉の意味を探して、これだというものを見つけても、数年後には意味が
変わっているかもしれない。

一つの辞書を作れば終わりではなく、そこからまた次に向けて考え続けなければならない。

しかし、そうやって考え続けることにこそ意味があるのだと思う。

だから私もこれからは、考えるのをやめずに取り組んでいこうと思う。

自分なりに考えて編んだ舟で、人生という大海原をこえていきたい。

 

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