「秘密の花園」(フランシス・H・バーネット)の読書感想文 書き方の例文1200字

 

読書感想文
「秘密の花園」(フランシス・H・バーネット)
※1203文字※

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忘れられない。何度も何度も読んで汚れた本。

ページが黄ばむほど古いけれど大好きな本に対して「本への思いがページを焦がした」と言う素敵な表現をした作家がいましたが、そんな本を私は持っています。

バーネット婦人の書いた「秘密の花園」で、新川和江さんの編著です。

小学校の入学祝いに、母親の友人にいただきました。

主人公の一人、孤児となったメアリは「こまっしゃくれでつむじまがり、かわいげのない」女の子です。

そのため自分は親から恥とされ、誰からも愛されないと思っています。

社交に忙しい美人の母親も仕事に忙しい父親も、メアリを遠ざけていました。

両親を伝染病で亡くしたメアリは遠縁に引き取られますが、その大邸宅にいたのは病弱でわがままな息子コリン、出産時に母親が亡くなったので母親の死は自分のせいであり、父親に愛されていないと感じています。

父親が母親をとても愛していたのをよく知っていたからです。

コリンの父親は背骨が変形して瘤のように曲がってしまう病気なのですが、自分もいつか父親と同じ病気になって死んで行くと言う恐れも抱いています。

コリンの父親は妻を亡くした深い悲しみに加え、愛する妻に生き写しの息子を見るのが辛いのですが、それよりも何よりも、もしこの病弱の息子さえも失ったら…

と言う恐怖が息子を遠ざけていた本当の理由なのです。

コリンは後に、父のこの深い愛情を知ります。

こう書くと何とも暗い話のようですが、偶然見つけた秘密の花園を再生する事で、この傷ついた子ども達は成長し、自分達を取り巻く人々、貧しくても優しく明るい女中のマーサやディコン、庭師のベンなどの愛に気づいて癒されていくのです。

私はすぐさまこの本の虜になり、何度も何度も読みました。

大人になってからも読み続けました。

境遇は登場人物とは全く違いますが、どこかで彼らに自分を重ねていた部分があったのだと思います。

病弱でしたし「子供らしさやかわいげがない」という自覚があるほど、こまっしゃくれていましたから。

それに第一子に注ぐ親の期待をひしひしと感じると共に、時折見せるがっかりした親の顔から、子どもながらにその期待に応えられない自分とメアリを重ねていたのだと思います。

「再生物語」と言う点も私を魅きつけました。

傷つき孤独で偏屈、わがままな子ども達は誰かに見つけられ、ケアされる事を待っている荒れ果てた花園の草花です。

辛い時期をじっと耐え、ようやく見つけられ優しさを注がれるうちにやがて少しずつ芽を出し、ついには美しい花を咲かせるに至ると言う点に、震えるほどの感動を覚えました。

秘密の花園がコリンの母親の物だった事も、この母親の愛の大きさが魔法となり亡くなった後も花園と言う形で残り、父子に伝わり、親の愛を知らずに育った少女に降り注いだのだと思います。

子ども向けの本ですが、テーマはとても深遠で、読むたびに新しい感動があり、ますます好きになる本です。

 

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