「世界から猫がきえたなら」読書感想文の書き方の例文1200字

※1218文字

「世界から猫がきえたなら」(川村元気)を読んでの感想

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2013年本屋大賞ノミネート作品になりました。
今年は映画化され、佐藤健主演で5月14日に公開されます。

著者の川村元気氏は映画プロディーサーです。
この著書を書くにあたって、映画では表現できないものを
書きたかったと言っています。
猫好きの私は、タイトルを見ただけで胸がキューとして泣けます。

世界に当たり前のようにいる猫たちがいなくなるなんて
想像したこともない、そんな同じ思いで生きていた主人公の
心の動きと共に、自分にとって本当に大切なものが何かを
読み手である私たち一人一人に投げかけるように、
ユーモラスな雰囲気を醸しつつ物語は進んでいきます。

主人公の「僕」は猫と暮らす30歳独身の郵便配達員、
ある日、脳腫瘍と診断され、余命わずかと宣告されます。
絶望の中、自分とそっくりな悪魔と出会い、
「僕」の一日分の命と引き換えに世界から何かを消していく
という奇妙な取引を持ちかけられます。

私自身、今日も明日も変わらない一日が続いていくことを
信じて疑わない一人です。
主人公の「僕」のように突然、その日常に期限ができたら、
何をまっさきに思い浮かべ、何をするだろうかと考えさせられます。
まずは死にたくないと思うのではないでしょうか。
そうして神様に今までの自分を懺悔し、この現実を嘘にしたい、
すべてと引き換えにしてもこの大変な運命を変えてほしいと
思ってしまいます。
そんな「僕」や私たちにとって悪魔の取引は魅惑的です。
たった一日でも生き延びられるなら、
大抵の物はなくなってもいいと考えます。
戸惑いながら「僕」は悪魔との取引を決意していきます。
ないと困るけど、無くなってもしかたないと思えるもの、
そんなものから無くなっていきます。

そして次の取引は飼い猫の「キャベツ」です。
取引に応じれば、僕は生き延びることができ、
キャベツはいなくなります。
「僕」は結局、猫を選びませんでした。
何かと引き換えに生きながらえることをやめたのです。

大事なものは人それぞれですが、実は身近にいつもいる、
日頃はあまり意識していないものが、かけがえのないもの
なのかもしれないと改めて考えさせられました。

悪魔の言葉は、人間の持つ弱さの象徴のようです。
自分だけは助かりたいと思い続ける限り、自分のまわりから
色々なものが消えていきます。
たくさんの物を失ってもなお自分だけはいい思いをしたい、
助かりたりと考えるそんな身勝手さを私自身も持っています。

人によっては大切なものが、猫ではではないかもしれません。
猫がいなくなっても悲しくない人もいます。
でも、猫に象徴されるその人にとって「大切なもの」を失う
ことの意味を想像し、今、この場所で、今そばにいる誰かが
かけがえのないものだと気づかされます。

普段は、誰もがその価値や幸運に気づかずに生活しています。
そして「僕」のように突然の死ではないにしても
人はいつかは死ぬ運命にあります。
いつでも何でもない幸せに気づける自分でありたいと思います。