「夜明けの街で」読書感想文の書き方の例文1200字

※1205文字

「夜明けの街で」(東野圭吾)を読んでの感想

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世の男性にとって、不倫とはどういった感覚でしょうか。
芸能人の話を聞いていると男は浮気をしても当たり前
という感覚ですよね。
しかし、私の周りに不倫をしている人間など皆無ですし、
それが原因で離婚となると聞いたこともありません。
そんな私のような感覚を持った主人公、
渡部がバッティングセンターで出会った秋葉と次第に
深い関係に陥り、自分には無関係だと思っていた
不倫に発展してしまうところからこの物語は始まります。

正直、東野圭吾の作品の中ではめずらしいジャンルに入るもの
だと感じました。
殺人はおこっていますが時効を迎えるほど前の話で、
実際の物語の中では殺人は起こりませんし、サスペンスもありません。

冒頭に記載したように、まったく不倫などに縁がなかった男性が
偶然の出会いから不倫に陥り、その女性の過去にいろいろな影、
殺人までが見えてきたのですが、その彼女への情愛には勝てず、
真相に近づくことをしのばれるというのが物語の展開です。

不倫というテーマに対してはどちらかというと男女間のかけひきや、
家庭崩壊への序章であるというストーリーがあったり、
そこで怨恨殺人にいたる、または子供の親権を争う展開という
のが一般的です。
しかし、この作品はこうした展開は一切ありません。
もう一人の重要な登場人物が渡部の妻になるのですが、
実は夫の不倫に気づいており、見てみぬふりをしていた
ということが作品の最後でわかるわけです。

この部分の描写に関してはさすが東野圭吾と
いわざるを得ないくらいうまいなと思いました。
いつもの作品に出てくるミステリーの謎解きが実は
この妻の不倫にきづくことだったのではないかと思うほど。

そして、主人公の渡部の不倫相手である秋葉。
過去に秘密を抱えていることがわかるのですが、冒頭にも
記載したとおり、それでも渡部はこの秋葉の魅力に勝てず、
関係を続けてしまうわけです。
わたしにはよくわかりませんが、男性は少し影のある女性に
ひかれるものなのでしょうか。
実際にこの作品では、秋葉に対する好意を抱く男性が
多く存在するわけでもないのですが、相性次第では
非常に魅力的な女性だということがわかります。

そして、この物語のクライマックスは秋葉の抱える秘密になります。
このからくりについてはいつもの東野圭吾作品の面白さが
凝縮されていました。
なるほどとだれしもが納得するような謎解きが待っています。

そして、クライマックスを終えた後にこの作品のオチともいうべき
展開が待っています。渡部の妻の言動です。
そうです。
最初から夫の不倫に気づいていたのだということをそれとなく、
渡部に知らせるところは殺人以上にぞっとするところでもあります。
女性のしたたかさ、狡猾さ、またそれでも夫を愛し続けるというある
意味矛盾が感じられる場面になります。

東野圭吾の作品としては少し異色でありますが、
クライマックスの謎解きとその後のオチは読むものを
楽しませてくれるところになっています。