「はなちゃんのみそ汁」読書感想文の書き方の例文2000字

※2010文字

「はなちゃんのみそ汁」を読んでの感想

広告

 

私がこの作品を読んだのは、実際に私の家内が昨年秋に肺がんの
ステージ4の診断を受けた時でした。
骨にも転移が見られ、外科治療はできず、可能なのはたまたま遺伝子が
あっていた化学療法のみ。
この化学療法も肺がんの抗体ができてしまえばきかなくなります。
とにかく長い期間、この化学療法が効いて、その間に新たな薬ができることを
祈るのみという時でした。
もちろん、家内はまったく死ぬつもりなどなく、高校生と中学生の娘が
成人するまでは生きると宣言しました。
入院も伴うために子供たちにも家内のがんのことは私の口からすべて告げました。

そしてこれからどういったふるまいをしていくべきか迷っているときに
出会った本が「はなちゃんのみそ汁」でした。
乳がんによって、その人生を絶たれた安武千恵さん、そして夫の信吾さん、
そして娘のはなちゃんの物語です。
私たち家族にとって、そして私自身のこれからの考え方や振る舞いに
きっと力になると信じて読みました。
もちろんのことながら、この作品にはまったく他人事とは思えず、
まさしく我が家にも当てはまる物語だと思いました。
しかし、最後に千恵さんはなくなりますが家内は絶対になんとかなる、
これだけは考えながらこの作品を読みました。

しかし、この親子は本当にたくましく、強いのだと作品を読んでいて思いました。
そもそも、結婚する前に乳がんがわかっていながら信吾さんと千恵さんは結婚。
一般的には乳がんがわかっていれば、そのまま別れたり、
結婚してもうまくいかなくなったりするものですが、本当に愛が深かったのだ
と思います。
そして、千恵さんはがんの遺伝を心配しながらも出産をするわけです。
そして、その名前の命名もこの夫婦らしく、送られて喜ばしいものは
「はな」だから、はなという名前にしたわけです。

千恵さんはがん治療に耐えながらも、自分自身が子供に何を伝えられるか、
まだ年端もいかないはなちゃんにいかに自覚をもって、生きていくことが
出来るかを伝えていきます。
その代表的なものがお料理です。
食べることの大切さをがんとの闘病生活を通じて千恵さん自身が知り、
こどもにも伝えていく姿は涙なしでは読めませんでした。
なぜなら、私の家内も食事に関しては自分が元気なうちにということで
いろいろ教えていたからです。
それまで一切、家事、特に食事の準備をしなかった子供たちに
一通り教えていくことになっていたのです。
お米のとぎ方、お味噌汁の作り方、漬物のつけ方、さらには簡単な料理も
家内は子供たちに伝えていくことになりました。
家内が化学療法の副作用で味覚がマヒしていることもあって、
子供たちが今は我が家の味覚を担っているといっても過言ではありません。
まさしく、このはなちゃんのみそ汁と同じことを母親という存在は考えるわけです。
そして、我が家の娘たちははなちゃんよりもはるかに大きい高校生と中学生です。
昨年の秋の肺がん発覚から半年余りでいつの間にか一通り家事をこなせるように
なりました。
さらには家内の体を気遣っていろいろな言葉もかけたり、言葉をかけて
はならないときはわきまえていたり。
父親としてもその成長を見ているとうれしいやら悲しいやら。
はなちゃんのみそ汁の中でも夫である信吾さんは、千恵さんとはなちゃんの
女性同士の関係になかなか入り込めないところをきっと感じていたと思います。
私自身も実はそんなところがあって家内とむすめたちの関係にうらやましさを
感じているところもあったわけです。

さて、はなちゃんみそ汁では、最終的に千恵さんはなくなるわけですが、
この闘病生活における夫の信吾さんのスタンスは一貫して、
支えるというものでした。
わたしももともと、この作品を読もうと思ったきっかけは何か私自身の行動の
指針になるようなもの、きっかけがあればというものでした。
そして、実際に作品を読んでみて思ったのは、自分としては静かにそれでいて
強い気持ちをもって、支えていくということでした。
幸いなことに私の家内は化学療法もきいていて、副作用はあるものの
このまま頑張れば、医学の目覚ましい進歩によって、新たな薬の投薬も
間に合うかもしれません。

私としては娘たちにいろいろ伝えていこうとする家内の思いをしっかり感じ取り、
それを受け止めようとしている娘たちの支えになってやることしかないと思います。
そして、私自身も前向きに考えながらもいざというときには自分自身をしっかり
もって向かい合うことが出来る心の準備もしっかりしておきたいと考えています。

「はなちゃんのみそ汁」は読む方々の境遇によって、いろいろな評価があると
思います。
わたしはこの作品を読むことによって、人生をこれからどう生きていくべきか、
どういった振る舞いをしていくべきか、指針を得ることができました。
何度も読み返したいドキュメント、家族の姿です。
我が家もこれからが勝負になります。
きっとはなちゃんに負けない娘を育てていきたいと思います。