「弱くても勝てます」読書感想文の書き方の例文1200字

※1275文字

「弱くても勝てます」(高橋秀実)を読んだ感想

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全国トップの東大合格者数を誇る東京の開成高校野球部を取り上げた
「弱くても勝てます」は、スポーツものとしてだけではなく、
ビジネス書としても読まれています。
嵐の二宮和也さん主演のテレビドラマの題材にもなった話題の本です。
タイトルのように、開成高校野球部は強くありません。
それでも勝ててしまう不思議を丹念に追ったのが、本書の面白い
ところではないでしょうか。
開成高校野球部員たちの等身大の姿が、ほのぼのとしたタッチで
描かれていることにも好感が持てます。
彼らは、この年代の高校生と違って、背伸びをしたり強がったりすることが
ありません。
彼らは頭がいいだけに、自身が下手だということを痛いほどわかっているのです。
理想とのギャップに悩む姿が、また面白いのです。

しかしながら、この弱小野球部が、激戦地東京でベスト16まで勝ち進むのです。
その秘密は、常識を捨て去った、セオリー無視の戦法にありました。
弱者が強者を倒す、という筋立ては日本人が好むところかもしれません。
ビジネスマンに読まれたのも、そのためかもしれません。
開成高校野球部のユニークさは、練習のほとんどを打撃練習に
あてていることです。
高校野球の基本は守備と投手力。
こうした異色の戦法を取るのは、コールドゲームが採用されていることと
関係があります。
守備の弱点を補うために、守備を強化するのではなく、コールドゲームに
持ち込むのが狙いなのです。
開成高校野球部は、この戦い方を徹底します。
一番打者は、もっとも打撃の得意な選手。
その次に打撃のいい選手が二番、三番と続きます。
少しでも可能性のある選手に、多く打席が回ってくるようにするためです。
開成高校はそんな野球の常識からはまったく外れています。
この戦い方は、チームを率いる監督の信念に基づいています。
印象的なのは、「一般的な野球のセオリーは、拮抗する高いレベルの
チーム同士が対戦する際に通用するものなんです。同じことをしていたら
ウチは絶対に勝てない。普通にやったら勝てるわけがないんです」という
監督の言葉。
弱いチームが勝つためには、逆転の発想が必要ということなのでしょう。
周囲と同じやり方では、同等のレベルのチームを超えることはなかなか
できません。
これは高校野球だけでなく、ビジネスの世界でも同じなのかもしれません。

一方、選手たちの飾り気のなさも印象に残りました。
選手たちはけして背伸びしません。
「僕の場合は苦手ではないけど下手なんです」
「向き不向きで考えたら、僕には居場所がありません」など、
自分の足元を冷静に見つめる言葉が数多く記されています。
頭のいい選手ばかりなので、自分たちのプレー、おかれた状況を
客観的に把握できるのでしょう。
多くの東大合格者を送り出している開成高校ですが、彼らはけして
受験エリートではありません。
運動神経では強豪校に見劣りするものの、思考能力は特筆すべきものがあります。
とても高校生とは思えません。
本書は異色のスポーツものですが、選手たちの姿勢には、大人も多くのことを
学べるのではないでしょうか。