「ゼロ 何もない自分に小さなイチを足していく」読書感想文の書き方の例文2000字

※2556文字

「ゼロ 何もない自分に小さなイチを足していく」(堀江貴文)を読んでの感想

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「これまで僕は、精いっぱい突っぱって生きてきた。弱みを見せたら負けだと思い、
たくさんの敵をつくってきた。自分でも分かっている、どこまでも不器用な生き方だ。
そして僕は逮捕され、全てを失った。いま僕の心のなかはとても静かだ。
今なら語れる気がする久しぶりに経験するゼロの自分は、意外なほどにすがすがしい。
ありのままの堀江貴文を。それは僕にとっての第一歩なのだ。」

から始まる堀江さんのゼロ。
この冒頭で私は、時代の寵児ともてはやされていた著者の本音を知りたくなり手に取りました。
堀江さんがここまで自分をさらけ出しているからには、期待値の高い内容となっているだろう
と感じたからです。

学生当時に起業したIT会社が、東証マザーズに上場し、順調な人生だった筆者である堀江さん。
ところが、東京地検特捜部に証券取引法違反の容疑で逮捕。
経緯から、本音を知ることができるはずだと読み進めていきました。

それまで世間から讃えられ注目を浴び続けていましたが、それから一転、人が離れていった
描写も包み隠さず記載されています。
相当な寂しがりであることも、飽きやすい性格であることも書いています。

この本は、堀江さんが、ただ自分のことを暴露しているのではありません。
ご自身のことを話しながら、寂しがり屋の飽きやすさが、実は武器になるということを
分かりやすく教えてくれています。
読み手にとって非常に有益となる情報が満載でした。

私自身の独自の見解としては、日本は、根性論が根付いており、一つのことを継続して
やることが美徳とされている面があります。
しかし、飽きやすさからも生まれるものがあるということについて、新しい物の見方を
発見させてくれます。
鳥瞰して物事を多角的に捉える視点、そんな感性も磨かせてくれる本でした。

堀江さんは、いつでもどこでも人とつながっていたい、というほどの寂しがりやです。
だからこそ、学生のうちにインターネット関連サービス事業を立ち上げ、そして、
成功させたのだろうと、私はそう思いました。
ネットであれば、24時間場所を問わずに誰とでも自由につながることができ、
情報の取得も自由気ままにすることができるからです。
こういった特性のあるネット事業を急速に成功へと導いたのは、堀江さんの「寂しい」
という感性が人よりも強いという自覚があるからなのだろうとも感じました。

寂しさは、一般的には忌み嫌われるものですが、その「寂しい」という感覚と、
はどうつきあっていくべきなのか。ということも説いています。
仕事をすることで、一人にならずに済み、人としての尊厳を取り戻すことができる
という一文も、心を打たれました。

この本で最も感銘を受けたのは、『「やりたいことがない」は真っ赤な嘘だ』
についての部分です。
私はこれまでの人生で、やりたいことがないのは何故だろう? 
いや、ぼんやりとでも本当はやりたいことはある。
だが、一体どうしてできないのだろう、と長年疑問にありました。

それを解決してくれたのが、まさに、『ゼロ 何もない自分に小さなイチを足していく』
でした。
答えは、寂しいから、寂しさを感じているから、何もやらないということ。
寂しいから、やりたいことをやらない。寂しいとその感情が心の割合を占めてしまうことで、
何もせずに過ごしてしまうと、この本から私は、そう解釈しました。

なるほど! と、やっとこの本で解決できたときの喜びは、何物にも変えがたいものが
ありました。
大人になってから謎に感じていた部分が解けたからです。
私は、これほどまでに、寂しいという心境とやりたいことをやらないことについて噛み砕いて、
心に響く説得をしてくれる本に出会ったことはありません。

学生であれば、寂しいという感情もさほどない人もいるかもしれません。
それでも、学業が本分のうちである年齢であれば、寂しい感情を自覚する機会も少ないものです。
大人になると、寂しさと折り合いをつけながら生きていくことも、場合によってはあるものですが、
そういった感情が出てきたとき、何度も読み返していきたい本でもあると感じました。

寂しい感情を無視する、あるいはコントロールすることで、仕事も趣味も楽しむことができます。
そういう日々を重ねていくことで、新たな発見だってすることもあるので、寂しさと
どう付き合っていくのか、深く考えさせられる本でもありました。

私は、この本を読んでから、寂しいなと思ったら、寂しいということと、
日々やらなければいけないことや、やりたいことを無視するのは違う、
と自分自身に言い聞かせています。
寂しいからといって無機的な毎日を送っても、そこから生み出されるものは何もないからです。
寂しい……、寂しい……と悶々としていても、何の生産性もないからです。

以前からやりたいと願っていたことを、実践してみようという意欲が湧いてきたのは、
この本のおかげです。

自立への言及についても、深く考えさせられました。
自立とはどういうことなのかを、非常に深いところから解説しているからです。
自分にイチを足していく、それは自立をしていくことでもある、ということを、
私は社会人でありながらも、この本によって本当に理解することができました。

自立は、自分で全て自活をできるようになって、そこで始めて本当に自分の頭で物事を考え
判断することができるようになるということです。
自分の力で立ち、独り立ちし、自身を自分で養うことができて、初めて自分の判断が本当の意味で
できるようになる、というのは深い話です。

経済的な援助を受けているうちは、世の中を見る目は、フィルターがかかっていることもあります。
自立することで、自分にイチを足していくというのは、本当に自分に加算されていくことでしょう。

「精いっぱい突っぱって生きてきた。弱みを見せたら負けだと思い、たくさんの敵をつくってきた。
自分でも分かっている、どこまでも不器用な生き方だ。」私もこういった不器用な部分がありましたが、
寂しさとうまく付き合いながら、ゼロからイチをたくさん足していくことが以前よりも
できるようになったと自負しています。

寂しい感情は、一生涯人間に付きまとうテーマでもあるので、その感情との付き合い方も
できるようになり、自分に自信がつくようになった良書でもありました。