「ゼロ」読書感想文の書き方の例文2000字

※2007文字

「ゼロ」(堀江貴文)を読んでの感想

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「ゼロ」は、元ライブドア社長で実業家の堀江貴文さんが、
自らの生い立ちや、ビジネスでの成功体験、逮捕収監による転落、
そして現在を、包み隠すことなく正直につづった一冊です。
まるで「金の亡者」のようにイメージされてきた堀江さんの
実像を覆すような内容が多くの読者から支持を得て、
ベストセラーになりました。堀江さんは、まさに「ゼロ」の状態になって、
包み隠さず等身大の自分を本書でさらけ出しています。
そのような姿勢に、共感が広がったようです。
印象的だったのは、序盤で、東京拘置所での出来事を振り返る場面です。
堀江さんは、気持ちが高ぶってなかなか眠れなかったそうです。
すると、そばにいた刑務官が次のようにささやいたのだそうです。
「自分にはなにをしてあげることもできないけど、
どうしても寂しくて我慢できなくなったときには、
話し相手になるよ。短い時間だったら大丈夫だから」と。
堀江さんは、この言葉に思わず涙がこぼれたとつづっています。
テレビやインターネットで伝えられる堀江さんの
強気なイメージとはずいぶん違います。
堀江貴文さんは世間から誤解されてきたのかもしれません。
金の亡者、というイメージはマスコミが作り出した虚像なのかもしれない。
本書を読み進めていくと、そんな気持ちにかられます。
堀江さんはお金が好きなのではなく、なにより「働く」ことが
生きがいなのです。
たとえば次のようにつづっているのも印象的です。
「もしかしたら、僕に聞けば『ラクをしながら成功する方法』を
教えてもらえると思っているのかもしれない」。
もちろん、堀江さんはそのようなノウハウを伝授しようとは
思っていないようです。
本書のタイトルのように、ゼロに小さなイチを足すことが大切だと。
その主張は、まっとうすぎるほど、まっとうです。
堀江さんは短期間で、こうした境地にいたったわけではないようです。
その原点は少年時代にあります。
堀江さんが当時通っていた学習塾で、パソコンのシステム移植を
頼まれたのだそうです。
当時の堀江さんはパソコン少年でした。
その報酬は10万円だったそうです。
こうした成功体験の積み重ねが、起業家としての活動につながったのでしょう。
これまであまり語られなかった、学生時代のエピソードにも驚かされました。
大学時代の趣味はヒッチハイクだったというのです。
このヒッチハイクが、コミュニケーションに役立ったといいます。
こうした挑戦をするには「ノリのよさ」が大事だという、堀江さんの
主張も心に刺さります。
「少しでもおもしろいと思ったら、躊躇せず飛び込む」と説くのです。
この「ノリのよさ」で、のちのライブドアの前身となる
「オン・ザ・エッヂ」を設立してしまうのです。
成功の絶頂にあった堀江さんも、ライブドア事件によって刑務所生活
を送ります。刑務所で与えられた仕事は紙袋をひたすら折る作業と、
高齢受刑者の下の世話だったそうです。
ライブドアでの栄光からは、かんがえられない世界だったので
はないでしょうか。
それでも、堀江さんはくじけることはありませんでした。
どんな作業でも効率よく、仕事の質を高める工夫を忘れませんでした。
こうして「与えられた仕事は『つくり出す仕事』に変わっていく」
とつづっています。
そして「自分の成長を実感することは、楽しいものだった」との述べているのです。
ビジネスの世界で成功しようと思えば、大切なのは効率的なノウハウ
ではありません。
本書を読むと、あらためてその基本に気づかされます。
堀江さんは「仕事が嫌いだと思っている人は、ただの経験不足なのだ。
仕事に没頭した経験がない、無我夢中になったことがない、
そこまでのめり込んだことがない、それだけの話なのである」
と甘えを一刀両断しています。
さらに、「『できっこない』という心のフタさえ外してしまえば、
『やりたいこと』なんて湯水ようにあふれ出てくる」
ともメッセージを送っています。
そこには、ライブドア時代にメディアの寵児としてもてはやされた
堀江さんのイメージはありません。
もともと堀江さんが、こうした考えの持ち主だったのかどうかは
知る由もありません。
ひょっとしたら、逮捕、収監という経験が、堀江さんを成長させた
のかもしれません。
成功しようと思えば、なにより実績を積み重ねていくことが
大切だということを、あらためて考えさせられます。
堀江さんほどの人がそういうのだから、真実なのでしょう。
酸いも甘いもかみつくした人の言葉だからこそ、やはり説得力があります。
仕事やお金を独占することだけが、人生の喜びではない。
このような言葉にもはっとさせられます。
周囲と幸せや喜びをシェアすることこそ大切と、堀江さんは説きます。
理想論に聞こえなくもありませんが、数々の障害を乗り越えて
たどりついた本心だと信じたいものです。
本書「ゼロ」はこれから社会に飛び出そうとする人、
ビジネスをはじめようとする人にも、手にとってもらいたい一冊です。