「声優魂」読書感想文の書き方の例文1200字

※1228文字

「声優魂」(大塚明夫)を読んでの感想

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有名声優・大塚明夫氏が執筆した著書です。
昨今ではバブル期と比べて声優を志す者が激増しています。
それは、今ままで日に当たらなかった声優達が深夜アニメの
ブーム化により注目され始め、「自分もちやほやされたい」
と考える若者が多く存在し始めたためです。
その中には、声優業界の実態もわからない「ただなんとなく」
と無目的で声優を目指す者もいます。
そんな若者ないし中年層に対し「声優だけはやめてけおけ」
と大塚氏の実体験を交えて語りかける本です。
声優を目指していた期間が多少あった私には、少々耳が痛い
話がありました。

声優業界は売れっ子にならない限りアルバイトと掛け持ちで
活動しているのが基本です。
大塚氏ですらも30代までは土木作業員と掛け持ちで活動を
しています。
それほど声優は儲からない仕事なのです。
また、仕事数も月によって違いまったく安定しておらず
数十万円儲ける月があれば0円の月もあるようです。
大塚氏は今声優を目指す者たちを「声優になりたい奴はバカである」
と述べていますが私も正にその通りだと思います。
義務教育課程で真っ当な思想を構築できていれば、自身の凡庸性を
理解しその上で長い人生では安定が重要であることを悟るはずです。
それでもなお声優を目指す者は、声優のスター性に盲目的に
させられ「自分は特別である」と自身の凡庸性を理解できて
いないのかもしれません。

本も佳境に差し掛かった時に大塚氏は「声優になりたい本当の理由」
に関して触れています。
「芝居が好きで色んな役を演じていみたい」「子供に夢を与えたい」
といった理由は表面だけであると見抜いておられ「ちやほやされたい」
となぜ言わないのかと述べられています。
過去に「声優には興味はない。ただちやほやされたいだけ」と
堂々と宣言した者がいたようです。
声優になる理由としては眉唾モノですが、マネージャーや事務所の
人たちによれば目的が明確で非常にやりやすかったようで、演技を
磨くより容姿や服装に力をいれ売り込んだようです。
このエピソードには私自身も目的をしっかりと持つことの重要性を
再認識させられたように思います。

大塚氏は最後まで声優業界の現実を突きつけたのですが、本当の最後に
この本を読んでもまだ声優を目指す者に対し1ページを使ってメッセージを
残しています。
「応援もしないが、邪魔もしない。もしお互い生き残っていられたら、
胸躍る物語の中で、相まみえよう。それが俺たちの、一番の望みのはずだから。」
と締めくくっています。
「本当に声優になりたいと考えている者ならば良作品で他の演者と共演する
ことは一番の夢のはずであろう」と述べていると解釈しています。
私はこの著書は声優志望者をふるいにかける良本だと思います。
この本を読んでもまだ声優を目指したいと心から思える人は、凡庸性を
悟れなかった人ではなく凡庸な人ではないのかもしれません。
逆に少しでも「やっぱり声優をめざすのはやめようか」と考えてしまった人は、
即刻別の道を見つけるべきだと考えます。