「ワニの丸かじり」読書感想文の書き方の例文1200字

※1230文字

「ワニの丸かじり」(東海林さだお)を読んでの感想

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「飯テロ」という言葉がある。SNS等のインターネット上で、
美味しそうな食べ物の写真を登校することで、見ている人の
食欲を刺激する行為だ。
仕事や授業中、電車等での移動中これから食べたら確実に
太る/体に悪い深夜等、発生時間は様々。
一度会ってしまうと、もう食べたくなったものを食べ、
欲を満たさないことには収まらない。
私も生来食い意地がはっていて、かつ影響されやすい質なので、
飯テロの餌食になることが多い。
その飯テロを頻繁にしかけてくる…というか、自ら地雷原に
突っ込むかのように読んでいるのが、東海林さだおの
「丸かじり」シリーズだ。

本作は、東海林さだおが「あれも食べたいこれも食べたい」
というタイトルで行っている連載エッセイを本にまとめたもの。
これまでに数十冊が慣行されている。
なぜこの「ワニの丸かじり」を選んだかというと、最近読み
返したからでしかないのだが(笑)。
基本的にはどのシリーズを読んでも飯テロの餌食になるが、
ひとまずこの「ワニの丸かじり」をご紹介したい。
「丸かじり」シリーズは、基本的には著者である東海林さだおが
テーマに沿って、持論を展開するもの。
とはいえ、食文化がどうの、美食がどうのといったしゃらくさい
ものではない。
本書「ワニの丸かじり」の目次を見てほしい「ホカ弁舌讃」
「オープンキッチンの怨念」「一皿のレバニラ炒め」…
どこに美食があるといえようか。たとえば「ホカ弁舌讃」は、
いわゆる持ち帰りのホカ弁、なかでもノリ弁当に焦点をあて、
その安さと美味しさを語っている。食べ薦めるうちに、
白身魚フライやちくわの天ぷら、昆布の佃煮、漬け物の汁や
油でご飯が汚れていくが、それこそが魅力だとぶち上げる。

「オープンキッチンの怨念」は、その辺のカウンターしか
ないような中華料理屋の、料理している姿をつぶさに見られて
いる店主のおじさんに注目し、「一皿のレバニラ炒め」は、
著者の思い出とともに、レバニラ炒めを食べるがおじさんだったら、
おばさんだったら…と、食べる人の印象に言及する。

どうでもいいことばかりを書いているように見えるが、何気ない
言い回しから、著者の食い意地、観察眼、テーマとなるものへの
思い入れがうかがえるし、描写力もたしかなもの。
いちいち食べたくなることは必至だ。
しかも、このエッセイは1本が7ページほどと、短い。
サクサク読んでいるうちに、食べたいものがどんどん溜まっていく。
なんともやっかいな飯テロである。遠出の際の読書のおとも…
とくに海外旅行の際にはオススメしない。すぐに食べたいものが
食べられる環境で読むのが正しい。
数多くある本シリーズから、初めて知るような食べ方、料理も
見つかるだろう。
ぜひシリーズを通して読んでみてほしい。

ちなみに著者の東海林さだおはもともと漫画家で、エッセイには
必ずイラストも添えてある。
これまた脱力するような絵なのだけど、妙にポイントを突いていて、
エッセイの作風をそのまま反映させたものになっている。
二重でなかなか味わい深い著者である。