「仮面病棟」読書感想文の書き方の例文1200字

※1247文字

「仮面病棟」(知念実希人)を読んでの感想

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「愛するに、美しいって書いて愛美です」自己紹介するとき、
愛美はそう名乗った。
 この最終章に書かれた一文を読んだとき、私は今まで
ずっと大きな思い違いをしていたことに気づかされた。
それはその瞬間の主人公と同じ、些細ながらも決定的な思い違いだった。
 自分が医療機関で働いていることもあって、医療現場が
舞台の物語が好きだ。
以前にも海堂尊『チームバチスタの栄光』や奥田英朗
『イン・ザ・プール』などミステリーからコメディに寄せたもの
まで読んだことがある。
医療という実生活とは切っても切り離せない世界を舞台にした
物語は、まったくの空想の世界ではなく、この日本のどこかで
本当に起きているのではいかというリアル感がある。
この本を手に取ったきっかけも『仮面病棟』というタイトルに
惹かれてしまったからだ。

これは先輩に頼まれて急遽当直を引き受けた主人公の医師が、
ある事件に巻き込まれる、たった一晩での出来事だ。
彼はすべての面において責任感と正義感が強かった。
弱者を守り、真実を追求するためならば危険を犯すことを
いとわなかった。
そんな彼が常に体を張って守っていたのが愛美だった。
私だったら自分の命を顧みず、危険に身を晒してまで本当の
ことを知りたいとは思わないと思う。
主人公の判断に反対したくなるシーンがたくさんあった。
特に、負傷した愛美が1人で残るのをいやがって行動を
共にしたいと申し出た場面は、私ならば絶対に了承しないと
思った。
2人で動けばそれだけ犯人に見つかる可能性が大きくなる。
自分もいつ殺されるかも分からない状況で、そんなリスクを
冒してまで他人を守りたいと思えるとは到底思えなかった。
それはもはや愛に近いもののように私には感じられた。

彼は一晩で真実にたどり着いたとき愛美からのヒントを
理解したとき、彼女に対してどういった感情を持ったの
だろうか。
きっと心が締め付けられるような切なさを覚えたに違いない。
私だったら怒るだろうか、悲しむだろうか、虚しくなるだろうか。
きっともう一度愛美に会って、抱きしめたくなるのではないかと思った。

この話の中には理論的な思考と緊迫の心理戦、細やかな心理描写と
人間同士の私利私欲にまみれた思惑が交錯する。
私がもっとも面白いと感じたのは、人間の自己愛を巧みに描いている
ところだ。
そして正義とはなにかを考えさせられた。社会福祉に貢献した
病院を演じながら裏では違法手術に手を染める院長、お金のために
秘密を口外しようとしない看護師、違法手術によって助かる幼い命、
そのすべてが、その人にとっての正義なのではないか。
それを自己愛や保身と呼ぶ人もいるだろう。
でも自分に利益のある方に心が動かされてしまうのは、
本能なのではないだろうか。
綺麗事をいえば違法手術はいけことだとわかっている。
が、もしそれが自分の子供の命が助かる最後の手段ならば、
私はそれでもその手術を違法だからと突っぱねることができるだろうか。
真実とは多面的なものである。
そして正義とは人の数だけ存在する、そんなことを考えさせられた。

 

5 件のコメント

  • 21行目で本当におきているのではいかとなってしまっています。
    あと、コンクールに自分なりにアレンジさせていただいたこの作品を応募させていただいてもよろしいでしょうか?

    • メッセージありがとうござます。
      コピペでどうぞ使用してください。
      アレンジもご自由にどうぞ♪

      前に学校で選ばれたので記事を削除して欲しいという要望がありました。
      ここに掲載してる感想文は作成者より買い取って掲載しています。

      削除して欲しいという時は買取をお願いしています。
      そのあたり、ご了承の上どんどん使用していただければと思います(^^)/

    • ご覧いただきメッセージありがとうございます。
      きっちり1200文字ではないです。
      確認したところ、1247文字となってます。

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