「人間の証明」」読書感想文の書き方の例文1200字

※1292文字

 「人間の証明」(森村誠一)を読んでの感想

広告

先ず、私事ながら森村誠一氏は元神奈川県厚木市の住人でもあり、
小生宅のすぐ近くに住んでいたということもあり、山歩きが好き
(山岳小説)という共通点も合って、殆どの本を愛読愛蔵して
おります。
この「人間の証明」は彼が初期に頃の作品であり、感性するどく
書かれた証明シリーズの代表作です。
一つの事件を異なる方面から追求していく過程は、彼独特の
かき回しであり非常に良く出来ている作品です。
また、登場する人物の特長を上手く表現している点に、流石に
森村作品だと感じるのです。

読み進んでいくうちに次第に内容が深く掘り下げられ、
人間とはという原点にまで関係をもたせより複雑になって
いきますが、それが重くなってくる印象はあるが読み応えは
十分なのです。
特に彼は作家特有の反戦思想(「悪魔の飽食」)などの
持ち主でもあるようで、人間の戦争に関する人間の内心に
触れて心理や環境の変化を巧みに織り込んでいるようです。

此のように森村誠一氏は色んな職歴を経て、推理作家としての
第一人者を確立したが、ただ単に推理そのものを読者に
楽しませるエンターテイメント作家とはチィット異なって、
真実の時代背景を巧みに利用して、其処には深い人間性というか
其の本性をドラマ化して描ける、実力派の作家でもあるのです。

証明シリーズといわれる人間の証明、野生の証明、其れに青春の
証明はいずれも角川映画でも有名になったが、映画にならなくとも、
氏の名作としていつまでも語り継がれる作品だと思います。
森村氏の著作はたくさんあるが、それは何れも個人の欲や野心、
読者が喜びそうな手練手管からは離れた一人の人間としての熱であり、
彼自身が人間の証明の其の人なのかもしれないのです。

物語の展開としては、先ず、プロローグは東京の繁華街の賑やかな
ところで、突然にして黒人の青年が刺殺されるという殺人事件が
発生する。 
捜査の結果では害者はアメリカの黒人、ジョニー・ヘイワードと
いう人物であった。
其の人物こそたった2日前に日本にきたばかりであった。

一方その頃、殺人現場近くのホテルでにおいては人気の女性歌手が
舞台にに立っていて、其の名を八杉恭子といい、彼女は或る
大物政治家の妻でもあり、近く行われる選挙のための宣伝活動を行
っていたのである。
殺人事件の捜査をすることになった棟居と下田の二人の刑事は、
ヘイワードが宿泊していたホテルの部屋から西条八十の詩集本を
見つける。
そして、シオリの挟まっていたページには麦わら帽子をなくした
少年の心を詠った詩が書かれていた。
 
殺されたヘイワードの母国での暮らしは貧しいところであり、
父親と二人で暮らしていたが、その父が2ヶ月前に死んでしまうが、
日本に出かける時に発した言葉は、「キスミーにゆく」という
言っていたことが明らかになった。
両刑事は、「キスミー」という言葉が、西条八十の詩集の
「麦わら帽子」の詩に書かれていた「キスミー(霧積)」
という群馬県の霧積温泉という地名を指しているのではないかと
推理して、直ちに現地へ向かうことを決意する。
この後、殺されたヘイワードと日本のある女性の悲しい過去に
突き当たることになるのだが・・。