「三匹のおっさん」(有川浩)の読書感想文 書き方の例文 2000字

※2005文字 

「三匹のおっさん」(有川浩)の読書感想文

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私が最近読んで、母に夜更かししないように注意を受けながらも寝られず、結局夜遅くまで一気に読んでしまった本が有川浩さん著の「三匹のおっさん」です。面白くて途中では止められませんでした。

「ジジイ言うな、おっさんと呼べ!」
この一言が、主人公・清田清一(通称キヨ)さんの心意気をもっとも的確に表していると感じる、私が印象に残った1言です。キヨさんは還暦を迎え会社を定年退職した、剣道の達人です。同じく、柔道の達人のシゲさん、頭脳派のノリさんーかつての悪ガキ3人組でしたーと共に、自警団を結成し、町内の見回りを始めます。

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その活躍は目覚ましく、痴漢・詐欺・動物虐待・売り上げのピンハネなどの悪を成敗していく、その姿が本当に格好良いのです。
何も成敗一辺倒ではなく、思いやりを持って、もう二度と悪事には手を染めないという条件で、悪を見逃したりもしています。
その懐の深さがまた魅力的です。

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60歳になっても70歳になっても「おじいちゃん」とは呼ばせない。自分が人の役に立てることはまだまだある。その心意気がひしひしと感じられる一言です。
最初にこの本を読んだきっかけは、図書館のオススメコーナーにあったこと、しばらく前にドラマ化していて、とても評判が良かったと聞いたことがあるからです。
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「三匹のおっさん」というタイトルを見て、主な登場人物も3人の60歳男性だと分かり、何て花がないんだろう、だなんて思いました。
さらに、最初は、定年退職したキヨさんが長年続けた剣術同情を畳むことになり、さらに息子さんやその奥様にその気持ちを一切分かってもらえないという寂しい記述が多く、とても切ない、悲しい気持ちになりました。

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一瞬、読むのをやめようかなとも思ってしまったくらい、高齢者は社会で活躍できない、もう自分は必要をされていない人間なのではないかという、切実な悩みがひしひしと伝わってきました。
が、そんな思いは読み始めてすぐに吹き飛びました。
キヨさんが年齢にめげずに、自分のできることをやっていく姿勢に、私は父自分の姿を重ねました。

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私は遅くに生まれた子で、父はもう定年退職をしています。
しばらくは家でじっと物思いにふける姿をよく見かけたのですが、そのうちに吹っ切れたのか急に元気になり、雨の日の少し遠くにある塾の送り迎えを申し出てくれたり、私の部活の合宿中、母を旅行に連れて行ったりと、家族サービスを始めてくれたのです。

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「今まで仕事ばっかりだったからな~!」
と、照れながら。
さらに、近所の同じような年代の方に声をかけ、「老人会」を結成し、月に1度ほど、お酒を飲んだり、おしゃべりをしたり、カラオケに行ったりするサークルを作りました。

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父と隣の家のお父さんとがリーダーで、みんなで和気あいあいとした時間を過ごしているようです。
町内会の公園のゴミ拾いに参加者が少なくて困る、という担当者のぼやきを聞いた時は、父の仕事での経験を生かして、
「待ち合わせを公園にしないで、公園の隣のカフェにしなさい。一杯コーヒーを飲んでからゴミ拾いをやりましょうと伝えなさい。」
と、アドバイスをして、見事ゴミ拾いへの参加者を増やしたこともあります。

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さらに、私の父は柔道の有段者なのです。格好良くポーズを決めた写真を見た時は、我が父親ながら惚れ惚れとしてしまいました。
もちろん私の父は幼馴染と自警団など結成していませんが、還暦、定年退職にめげずに、強く逞しく人のために、と活動するキヨさんは、少し私の父に似ていて、とても親近感が持てました。

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それから、最後にキヨさんが孫の祐希くんからのプレゼントしていた服をわざわざタンスの奥から引っ張り出して着ていたところがとても可愛く感じました。
「タンスの1番前にあったからな」
と、言い訳を添えるところがまた笑ってしまいました。

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私の父も、私と年齢がおじいちゃんと孫と言ってもおかしくないくらいに離れているので、この間、お店の店員さんに
「格好良いおじいちゃんですね。」
と、褒められてしまったんです。

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「格好良いと言ってくれたんだから良いんじゃない?」
と、なだめましたが、父はしばらくご機嫌斜めで、
「もうあの店には行かないぞ!」
と、子供のようなことを言っていました。

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それを思い出して、とても微笑ましかったです。
それから、祐希くんと、ノリさんの娘さんの早苗ちゃんの恋心もドキドキしてしまいました。
実は私は、年を取ることがとても怖いことだと感じていました。

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年を取れば、体も弱くなり、出来ないこともどんどん増えていき、社会にも取り残され、寂しく、悲しい思いを胸に生きていかなければいけないのだと。
でも、そんなことはないのだとキヨさんに教えてもらえました。

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このお話から伝わってくるのは、常に「真っ当な人間であること」「筋を通すこと」です。
悪を一刀両断していくキヨさんのように、年をとっても渋く、いぶし銀のように輝き続けることができる人間を目指そうと思います。