永遠の0(百田尚樹)の読書感想文 書き方の例文 2000字

2064文字 永遠の0(百田尚樹)の読書感想文

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「マスコミが戦争を煽り世論を作った。」
私はこれが、この本の中で作者が1番伝えたかったことなのではないかと思うのです。
元海軍中尉の武田さんが怒りに震えて、高山という新聞記者に言った言葉です。

[br num=”1″] 私はこの言葉にとても衝撃を受けました。
私がこの本を読んだきっかけは、姉に勧められたからです。
姉はこれを読んでかなり考えさせられたらしく、あなたも是非読んでみて、感想を聞かせて、と言われました。

[br num=”1″] 今では、そう言って来た姉の気持ちがよく分かります。
マスコミは、アイドルを作り、流行を作り、それによって世論は大きく変わっていきます。
何か1つの事件が起こっても、マスコミが同情的に報道すれば世論も優しくなり、厳しく追及すれば世論も辛辣なものになります。
それは分かっているのですが、つい報道に流されてしまいます。

[br num=”1″] 流行のスイーツは食べてみたくなってしまうし、流行のファッションだと言われればそれを着てみたくなってしまうし、流行のドラマを見ていた方が、友達との会話は断然弾みます。
両親も新聞の大きなチラシの健康食品にはめっぽう弱いです。
テレビや新聞を見ていれば、人の考えはマスコミにかなりの影響を受けてしまうのではないでしょうか。
これくらいならまだしも、国民を煽って戦争に導いていくのはとても受け入れられません。
でも、受け入れられなかったら非国民と罵られて村八分にされてしまう時代にマスコミが加担した、と、武田さんは言うのです。

[br num=”1″] 実は私は読み終わった後に、気になって当時の新聞を調べてみました。
やはり文面は戦争を支持し、国民を鼓舞するものでした。
多くの命を犠牲にする戦争はやめよう、などとはもちろん書いてありません。

[br num=”1″] さらに、特攻とテロリストは同じだと持論を展開する高山さんに、
「君の政治思想は問わない。しかし、残る者の心を思いやって書いた特攻隊員たちの遺書の行間も読み取れない男をジャーナリストとは呼べない。」
と言い放ちます。

[br num=”1″] この新聞記者と元特攻隊員の激しい会話は、私の心にも突き刺さりました。
私も実は、まだ少年だったという特攻隊員の遺書を見たことがあるのです。
そこには確かに「お国のために喜んでこの命を捧げます。」というような、死をも恐れない、自国のために死ぬのは当たり前だ、と言わんばかりの記述がありました。

[br num=”1″] 私はそのまま額面通りに受け取ってしまい、
「すごいな。私とあんまり年は変わらないのに。この時代の人は、国のためなら死ぬのが怖くないんだ。ちょっとマインドコントロールっぽいな。」
と、思ってしまいました。

[br num=”1″] そうではなかったことに今さら気付いたことへ、雷が走るような衝撃を覚えました。
そうだ!死ぬのが怖い訳がない!家族と二度と会えないことを喜ぶ人なんかいない!
そんな当たり前のことすら思い至らなかった自分を恥じると同時に、自分の命を賭した戦いに挑まなければならなかった、自分と同じ年代の少年の心を思い、涙が出てきました。

[br num=”1″] 気付いてあげられなくてごめんなさい、と心で謝りました。
私は気付かなかったけど、きっと彼のお母さんは彼の気持ちを汲み取り涙したのではないかと思いました。
この話は、主人公の佐伯健太郎さんが、姉の慶子さんに頼まれ、祖父・宮部久蔵の経歴を調べるところから始まるのです。

[br num=”1″] 「あの人(宮部久蔵)は別れ際に言いました。必ず生きて帰ってくる。たとえ腕が無くなっても、足が無くなっても、戻ってくる――と。」
「そして、宮部はこう言いました。たとえ死んでも、それでも、ぼくは戻ってくる。生まれ変わってでも、必ず君の元に戻ってくる、と。」
この2つのセリフと、宮部久蔵さんが部下に、どんなに苦しくても生き延びる努力をしろ、と言ったところから、宮部久蔵さんの決意が読み取れます。

[br num=”1″] 絶対に生き延びて妻子の元へ戻るという決意、本の中にもありましたが、それがこの時代の、そして宮部久蔵さんの愛の形だったのです。
この時代にはさぞ異端であったことでしょう。
宮部久蔵さんを「臆病者」呼ばわりする人もいました。
でも、宮部久蔵さんの堅い決意・周囲に何と言われても揺らがなかった心は、部下や仲間の死で心が削り取られたのか、最後は生き残るチャンスを手放して死を受け入れました。

[br num=”1″] 敵であるはずの米兵も、彼の戦闘技術や家族への思いに敬意を表し、彼を海底へと丁重に葬むりました。
宮部久蔵さん本人は、妻子の元へ戻ることは叶わなかった。
私は、それでも、大石さんと一緒に魂や気持ちは戻って行ったのだと思います。
そう願っています。

[br num=”1″] この本は、私が読み終わった後に何も感想が浮かばず、頭が真っ白になった初めての本です。
どう考えて良いのか全然分からず、正直に姉に打ち明けました。
こうやって思い出して感想文を書いている今も涙が溢れてきます。
戦争を全く知らない私なんかが、この本の感想を抱いたりするのはおこがましいのではないかと思います。

[br num=”1″]

この本を読み、戦争はだめ、怖い、などいう漠然とした考えではなく、もっとこの時代のことをよく知り、戦争のことを熟知することが、平和のために何より必要なのではないかと思いました。