「屍鬼」(小野不由美)読書感想文の書き方の例文1200字

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「屍鬼」(小野不由美)読書感想文の書き方の例文1200字

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 私が好きな本の一冊に挙げるのは、小野不由美の「屍鬼」だ。
この本の内容は外界から隔絶された外場村を舞台にした物語である。
初めてこの本を読むに当たり最も驚いたのは登場人物の多さである。
[br num=”1″] 物語も細かく描写されていてこの本を読み理解するのに、長い時間を費やした。
当初、この物語を読む前の私は「突如、起き上がった死者が村を侵食していく」物だとばかり思っていたが、
著者が描きたかったものはそんなことではないのだろう。
[br num=”1″] 私が思うに、著者がこの作品で描きたかったものは、人間として1つの生命として生きるうえで私たちに義務付けられたもの。
すなわち、他者の命を喰らい生きるということであろう。
この作品は、この永遠ともいえるテーマを考えるきっかけになった。
[br num=”1″]  この作品の主人公といえる人物が二人いる。村の医師である尾崎と寺の僧の静信である。
二人は村に巣くう人ならざるものの存在に気づき、尾崎はこれを滅ぼさんと、静信はこれとともに生きる道を
それぞれの信じる道に向かっていきます。
[br num=”1″] 物語の終盤、尾崎の抵抗もむなしく村は滅びの一途をたどって行きます。
果たして、どちらが正しかったのか。その答えは今後出ることはないでしょう。
著者は、作品をとおして私たちに「アナタならどうしますか」と投げかけてきているように感じられた。
きっと、私は尾崎のように奮い立たせ立ち向かっていこうとは思えない。
かといって、尾崎を正しいとは言わないのが、この作品の特徴である。
[br num=”1″]

屍鬼にとって人を襲うということは、生きるうえで必要なことである。
この行為は、屍鬼が生きるうえで与えられた特権であり、それと同時に義務であるとも言える。
義務である以上、それに逆らうわけにはいかず、それをとがめる理由などないはずだ。
[br num=”1″]  この作品は、小さな村を舞台にして描かれていますが、現代の社会にも重ね合わせることができる。
この作品は上・下巻と分かれていますが上巻では屍鬼が生物として上位のもの、つまり搾取する側であり村人が搾取される側
として描かれていました。
[br num=”1″] しかし、下巻ではこの関係が綺麗に入れ替わっています。
現代でもこのようなことは起こりえます。
仕事、恋愛、学校、人間関係、様々なことで起こりうるのである。
[br num=”1″] 自分は搾取する側であったはずが、いつの間にか搾取される側にされていた。立場というものはいとも簡単に変わるものである。
私が最も身近に感じたものは、学校でのいじめ問題である。
ある日、いじめていたものがいじめられるものへと変わってしまう。
そのとき最も怖いものは、周囲を取り巻いている感情である。
[br num=”1″] この作品には尾崎と共闘しともに立ち向かっていくものもいるが皆が納得しているわけではない。
ただ、屍鬼の仲間だと思われると自分が危ないといった感情が彼らをそうさせていたに過ぎない。
いじめの現場も変わらない。
[br num=”1″] 感情によって人の立場はいとも簡単に変化する。感情によって人は鬼にでもなれるのだ。
私はこの作品を通して、人間関係のやるせなさが見えてきた。