「ゲド戦記1 影との戦い」(U.K.ル=グウィン)の読書感想文 書き方の例文 2000字

 

読書感想文
「ゲド戦記1 影との戦い」(U.K.ル=グウィン)
※1999文字※

 

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「ことばは沈黙に、光は闇に、生は死の中にこそあるものなれ。飛翔せるタカの、虚空にこそ輝ける如くに」

この言葉はこの本を開いて一番最初に目にするページにかかれた、一節の誌だ。

私はこの詩を読んで、なんて美しい世界観なのだろう、なんて素晴らしい考え方なのだろうと胸を打たれ、絶対にこの作品を最後まで読み切りたいと心に誓った。

それほどこの短い文章は、私の心に深く刺さる大切な言葉になった。

私は今までずっと、いつだって努力は報われるし、評価は正当に下されるし、自分の自信を持っている部分には、他人からも良い評価を貰えると思っていたからだ。

言葉というものはもちろん声に出して相手に伝えるわけなのだけど、その本質は沈黙の中にある。

光は光と共にあるものではなく、闇の中に輝くからこそのものである。

死ぬということがあるからこそ、生きているということがある。

そういう一見逆説的な言葉の選び方が、かえって真実味を深めていると思った。

物語の内容もまさに、そんな逆説的な印象を与えるものだ。

力を示すために、かえって力をなくしてしまう。

傲慢さ故に、打ちのめされる結果が待っている。

自分が正しいと思ったときには、かえって自分が望む通りの結果は得られず、その真価は逆境でこそ光る物を見せる。そういう教訓が織り込まれた物語となっている。

 

物語の主人公・ゲドは、才能に溢れ勇敢で、とても傲慢な自信家という性格が描かれてる。

彼はその性格が故に大きな失敗をしでかしてしまい、自分の居場所もキャリアも何もかも奪われてしまう。

しかしそんな時にこそ、真に大切な友と闘う勇気を得ることが出来る。

私はずっとどこかで自分のことを、成績がいいだとか、趣味が充実しているだとか、そんなつまらないことで、すごく特別な素晴らしい人間のように思って、どこか思いあがっていた。

けれどある時、自分が正しいと思った事を言っただけなのに、友達と喧嘩になってしまったことがある。

今では私が「自分が正しい」と思い込みすぎて、自信過剰な状態になってしまっていたんだって反省できるけれど、その時はまるで自分が意地悪をされているような変な被害者意識ばかりが頭にあって、素直に謝るどころか自分が悪いことにすら気付けなかった。

そうしてそのまま友達と喧嘩したままでいたけれど、なんだかすごく居心地が悪いというかとても嫌な気持ちになってしまっていた。そんなとき読んだのがこの本だった。

人は自信を持つことはもちろん大事だけれど、自信を持ちすぎたり自分が正しいとばかり思ったりすることは、とても悪い結果になってしまったり自分の間違いに気付けなくなる原因になったりするのだとわかった。

自分が正しい、自分の考え方の方が上だ。

そんなふうに思っているのはとても良くないことだし、相手にも失礼で、大きな失敗のもとになってしまう危険な考え方だと思った。

主人公の師匠にあたるキャラクターでオジオンという人物がいる。

高名な魔法使いである彼は、自分の弟子になったばかりの若く自信家なゲドにこう教える。

「聞こうというなら、黙っていなくてはな。」

そう、相手の言葉を聞くためには、その間自分の口は閉じて、黙っている必要があるのだ。

そうでなければ相手の言葉を聞くことは出来ない。

自分の意見ばかりを自信満々に押し付けて、相手の意見や言葉を聞く機会をなくしてしまうのは、とても良くないことだとわかった。

あの時この本を読んだおかげで、私は自分がとても思いあがっていて、酷い自信家だったということに気付くことが出来て、そこで初めて友達に「ちゃんと話をきかなくてごめん」と誤って、無事に仲直りすることが出来た。

自分の失敗を認めるのは恥ずかしいし、出来れば失敗をなかったことにしたいとか思ってしまうけれど、そこでもっと意固地になって自分の失敗を認めないでいたら、もっともっと悪い結果になってしまって、大事な友達と仲直り出来ないどころか他の友達までなくしてしまったかもしれない。

そういう意味で、自分の悪い所をしっかり受け止めて、悪かったと認められるきっかけになったこの本は、とてもすごい本だと思った。

これから先、私はまた何か成功するたびに「私って凄い!」と思ってしまうかも知れない。

自分に自信を持ちすぎてしまうかもしれない。

そうしてまた他の人の言葉をないがしろにしたりして、大きな喧嘩をしてしまったり他人に嫌われてしまったりするかもしれない。

そんな時にはきっと、この本を思い出すことになるだろう。自分に自信があるのはけっして悪いことではないけれど、自信がありすぎたり他の人より自分の方が上だと思いあがったりしてしまうことはとっても危険なことなんだと、深く教えてくれたこの本のことを。

そうしてまた間違えてしまいそうな自分自身のことを、ちゃんと制御して、謙虚さや他人を受け入れる大切さをきちんと考えられる人間になりたいと、そう思っている。

 

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