「西の魔女が死んだ」(梨木香穂)の読書感想文 書き方の例文 2000字

 

読書感想文
「西の魔女が死んだ」(梨木香穂)
※2017文字※

 

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「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ」

これは、学校に行けなくなってしまった中学1年生のまいに、まいの祖母が語りかけた言葉です。

この言葉に、まいと似たような立場の私は、日々の張りつめた自分の心が溶けていくような、癒されていくような、ふわっとした暖かい気持ちになりました。

この本は、私の叔母が私にプレゼントしてくれたものです。

本のタイトルに死が入っていることから、何だか恐ろしいものを感じましたが、読み続けるうちにどんどんと内容に引き込まれていきました。

学校は、‘行かなくてはいけない場所’であると、世間のほとんどの人が思っているでしょう。

しかし、まいや私のような子には、学校は苦痛を与える場でしかないときがあります。

実際、まいは母親に「扱いにくい子、生きていきにくい子」と言われています。

しかし、まいの祖母が「まいのような子が生まれてきたことを感謝していた」と言う場面は、まいにとってどれだけの安心感を与えたかと思います。

私もまいのように、学校に行きにくいことに後ろめたさを感じていた時期があります。

そのときの私は、あくまでも自分の心の弱さが問題なのではと思っていました。

周囲の同級生たちが普通に登校できるのに、学校で楽しく過ごしているのに、なぜ自分はその一歩を踏み出せないのだろうと、自分で自分を責める日もありました。

辛いことから逃げているようで、そんな自分を許せなかったのです。

まいが話した「あのクラスから抜け出しても根本的な問題は解決しまい、敵前逃亡みたいで後ろめたい」という言葉は、あの頃の私の思いを的確に表現しています。

まいの祖母が、「シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、誰がシロクマを責めますか」とまいに話す場面があります。

この場面を読んで、私は、まいの祖母は‘辛いことから逃げるのではなく、自分らしく生きられる場所を探すのです。

自分で自分が過ごしやすい場所を選ぶことを誰も責めはしませんよ’ということをまいに話したかったのかなと思いました。

まいの祖母が例えたように、極寒の気候が好きで暑さに弱いと思われるシロクマは、ハワイで過ごすよりも北極で過ごすことを選んでいます。

それはシロクマ自身が、自分がいちばん自分らしく過ごせる場所を選んだ結果でしょう。

この言葉も、私を勇気づけてくれました。

学校に行けるようになることがベストなのでしょうが、‘行かなくてはいけない場所’で窮屈に過ごすではなく、自分らしく過ごせる場所を探すことにもまた意味があり、その選択肢は考え方によっていろいろあるのだと思いました。

まいの祖母は、まいや私の何倍もの年数を生きています。

まいの祖母は、今まで生きてきた年数の分だけ様々な経験があって、まいや私が生きてきたたった数年の歴史で解決できない問題に、様々な視点からアドバイスをくれます。

私がまいの祖母くらいの年齢になったとき、今の自分にどんなアドバイスをするのでしょうか。

今は自分のことだけで精一杯な私ですが、まいの祖母のように素敵に年を重ねて、誰かの力になれたらいいなと思いました。

タイトルにあるように、最後にまいの祖母は亡くなります。

まいと同じように、私も人が死ぬということは怖くて恐ろしいものだと思っていました。

生前のまいの祖母は、死が恐ろしいと話すまいに、人が死ぬと身体にしばられていた魂が身体から離れて自由になることや、そのことで魂がどんなに楽になれてうれしいかを伝えています。

そして、自分の死を、まいが怖がらないような方法で知らせてあげるとまいに約束しています。

実際、まいの祖母が選んだ方法は、まいにはとても暖かく、優しく、まいの祖母のあふれんばかりの愛情がまいを包んでいました。

私は祖父を病気で亡くしたとき、お別れがとても辛く、火葬場では声を上げて泣きました。

今でもあの日を思い出すと涙が出てきそうですが、まいの祖母の言葉で表現するならば、祖父の魂は祖父の身体から離れて自由になったのです。

病気で辛そうだった祖父の魂は、今頃自由になってさぞかし嬉しいでしょう。

この本に出会えて、私の祖父への思いが一層強くなりました。そして、以前から漠然と抱いていた死への恐怖心が和らいだ気がします。

まいは、まいの祖母がそっと背中を押してくれたことをきっかけに、新しい場所へ家族と引っ越し、新しい学校へ通い始めます。

その学校は、まいがまいらしく過ごせる場所でした。

最後にまいがまいの祖母に会えなかったのは残念でしたが、「おばあちゃん、大好き」と叫んだまいの言葉は天国のまいの祖母に確実に届いたでしょう。

まいの祖母はまいの背中をそっと押してくれただけではなく、学校に居心地の悪さを感じ、生きにくいと感じていた私の考えを違った角度から見つめなおしてくれ、私の背中もそっと押してくれました。

 

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