「人間失格」(太宰治)の読書感想文 書き方の例文 2000字

 

読書感想文
「人間失格」(太宰治)
※2001文字※

 

広告

「恥の多い生涯を送って来ました」

太宰治「人間失格」には、こんな印象的な一文がある。

恥の多い生涯。確かに人間の一生というものは、恥に彩られたものなのかもしれない。

私自身、自分の人生を振り返ってみると、恥の多い生涯だったような気がする。

だから、太宰治のこの一文には、非常に興味を惹かれた。

その「恥の多い生涯」を、彼がどのように描いていくか、気になったからだ。

読み終えてみると、確かに主人公の「葉蔵」は、「恥の多い生涯」を送っているように思える。

自意識過剰かな、と感じる部分もあるにはあったが、大部分においては共感することができた。「分かる」と、心の中で何度叫んだか分からない。

読む前は、非現実的な、あるいはもっと別次元の「恥」を想像していたのだが、そこに描かれていたのは、庶民的な、日常感覚に根差した「恥」だった。

昔の有名作家ということで、身構えていた部分もある。

高尚な、見ようによってはいやらしい、そういう「恥」を予想していたので、この小説を読み終えて、私は太宰治をとても身近に感じた。

分かり合える部分の多い友人を得たような気分になった。

この理由は、わたしは、内容だけではないと思う。

わたしが太宰治を身近に感じたのは、彼の文体が、読み手に語りかけるような文体だったからだ。

もしこの文体でなければ、いくら内容の部分で共感できたとしても、友人を得たとまで感じることはなかったと思う。

それくらい、太宰治の文章は親密さに溢れていた。

小説から姿を現した太宰治が、直接自分に語りかけているのではないか、そう錯覚したほどだ。

次に、太宰治「人間失格」の特徴として、私はユーモアを挙げたい。

タイトルからは想像できないくらい、この小説にはユーモアが溢れている。

知的で、軽妙洒脱だ。

思わず「フフ」と笑ってしまうような、そういう笑いの要素が詰まっている。

特に、わたしは小説の中の会話を、楽しんで読むことができた。

独特だな、と感じる部分は多かったものの、その独特さ、つまり太宰治らしさが、むしろ良かった。

作品自体は陰鬱で、結末もハッピーエンドではないが、それでも作品全体を流れる太宰治のユーモア精神のおかげで、読んだ後に「ただただゆううつだ」となることはなかった。

哀しさの中に、光というか、救いがあるような感覚になるのだ。

それは決して、錯覚ではないと思う。

文体について、もう一つ、魅力に感じた部分を挙げる。

それは、リズム感だ。

読んでいて、それこそ音楽を聴いているような、そういう気分になる。

太宰治の文章は、かなり独特である。

それは、彼がリズム感というか、読んでいて心地良い文章を心掛けているからではないだろうか。

彼の文章は、流麗と言ってもいい。

まさに「流れるような」文章なのである。

だから、すらすらと読める。
美文だな、と思う。

私が気になったのは、どうして主人公の「葉蔵」は幸せになれなかったのか、ということである。

読んでいる限り、「葉蔵」はネガティブで、繊細過ぎるところはあったが、面白く魅力的で知性があり、場を盛り上げる能力に長けた人物だった。

「葉蔵」を知る女性も「神様みたいな子でした」と評しているくらいだ。

繊細さに関しても、負の側面があるだけではない。

むしろ、長所と捉えられる部分の方が多い。

気配りができるとか、他人の気持ちが分かるとか、そういう部分だ。

実際に「葉蔵」は、そういう人物だったと思う。

そして、もう一つ付け加えたいのは、「葉蔵」にはサービス精神があったということだ。

だから、他人を笑わせようとするのである。

そして、わたしはここが、「葉蔵」が幸せになれなかった原因なのではないか、と推測している。

繊細で、サービス精神を持つ「葉蔵」は、他人を笑わせようとするあまり、それを重荷に感じてしまったのではないだろうか。

他人を思いやるあまり、自分をないがしろにしてしまい、それが辛かったのではないだろうか。

そういうものが蓄積していって、「葉蔵」はどんどん老け込み、堕落していってしまったように私は感じる。

繊細さ、思いやり、サービス精神とユーモア、そういう彼の長所が、むしろ彼を苦しめてしまったのである。これは、あまりにも哀しく、そして切ないことだ。

私は先程、太宰治を親密に感じ、友人を得たような気分になったと書いた。

そして「葉蔵」は、おそらく、太宰治が自分自身を投影し作り上げたキャラクターであるように思う。

だからこそわたしは、「葉蔵」の不幸、そして彼の苦悩について、心を痛めながら読んだ。

それこそ、友人に悩みを打ち明けられた時のように。

それは、奇妙な読書体験だったと思う。

太宰治に寄り添われたと感じた当の私が、太宰治に寄り添っているのだから。

そういう感覚は、あるいは読書を通じてこそ得られるのかもしれない。

貴重で稀有で、それでいてどこか優しい、「人間失格」の読後感だった。

他の作品も、是非読んでみたい。

 

⇊本が欲しくなった方はこちらから⇊

7 件のコメント

    • 特にこちらでは区切り段落をいれていません。
      たもさんが「ここだ」と思うところに、自由につけてくださ~い♪

    • メッセージありがとうございます。
      まるまるコピペで使用して賞をとったら感想文を買い取りしてもらいます。
      感想文を参考にして自分の言葉も入れた文章だとそれは、ゆうすけさんが書いた感想文となると思うのでこちらのサイトでは削除しません。

      前に学校代表に選ばれたので、こちらのサイトにのってる感想文を削除してもらいたいと申し出がありました。
      私も作者より買い取って掲載しているので、買取をお願いしたところ連絡がこなくなってしまいました。

      公開してる文章なので、きっとバレて選考に落ちたのだと思います。

      こちらとしては学校代表になる程の感想文を掲載できることがわかって嬉しくなりました。
      何かあれがまた、連絡ください。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください