「空色勾玉〈勾玉〉3部作第1巻」(荻原規子)の読書感想文 書き方の例文 2000字

 

読書感想文
「空色勾玉〈勾玉〉」(荻原規子)
※1990文字※

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私とこの本の出会いは小学校の図書館です。

その頃から日本史や神話が好きだった私は、「勾玉」のタイトルで惹かれてしまいこの本を手に取りました。

まず読んで思ったのは、広大な世界観にドキドキが止まらないということです。

普通の村娘である主人公が数奇な運命に巻き込まれ、国の中枢にいるような人たちと関わりをもち、戦っていく。

そこには憧れていた人――神話の世界の人との戦いもあって、周りから求められている自分と、その役割を脱ぎ捨てたただの村娘としての自分との葛藤がありながらも進んでいく強さは単純にかっこいいなと思い、感情移入してまるで自分自身も一緒に旅をしている心地でした。

不思議な力を持っているとはいえ、普通の女の子というのがとても身近に感じました。

仲間を大事に思う気持ち、憧れの人が敵対する立場の人だとわかっていてもこれまでの感情を捨てることができない気持ち。

普通の平凡だと思っていた自分が選ばれたのだという高揚感ととまどい。

主人公が起こったり悩んだりするたびに共感しながら読み進めることができました。

ベースが日本神話だったということもあり、ファンタジーなのにどこか身近な感覚もあってどんどんのめり込んでいく感覚がとても気持ち良かったです。

登場人物も魅力的なひとが多く、また衣装の描写が和服なのでイメージしやすいのもあってか頭の中で登場人物がイキイキと動いていくので、本を読みながら映像も見ているような気持ちで読み進めることができました。

授業の資料でみる、きらびやかな衣装、建物のつくり、でてくる料理…そういうものがとてもリアルに感じられて、西洋のファンタジーよりも具体的に想像することができました。

まだ小学生だった頃は物語としてのおもしろさだけを感じていました。

ただ、そうやってお話に惹かれて何度も読み返しているうちに、物語としてのおもしろさだけではないことに気がつきました。

舞台が神話の時代の要素も取り入れられているため、日本という国の成り立ちを改めて考えることができました。

日本史の授業などではさらりとしか出てこない、敗れていった民族たちのこと。

土蜘蛛、のように自分たちとは理解しあえない異質な存在として差別していたこと。

名前からわかるように、同じ人間として扱っていなかったのでしょう。

彼らの文化は中央を取った力のある民族によって奪われ消えていくことが描かれていました。そのことに対する苦悩や憤り、悲しみも。

主人公が属する立場はどちらかといえば敗れていく民族の方で、だからこそ、より如実に描かれていました。

今の日本は、国内で、例えば思想の違いなどによる戦争は起きていないけれど、それでも遠い昔には、ある思想や文化を淘汰して、統一していった過去はやっぱりあったのだと思い知らされます。

これがまだまだ世界の各地では行われていることなんだと思うとゾッとします。

それが悪いことだとは言いきれない、むしろ国の治安や平穏を守るためにはしなければいけないことなのかもしれない。

それでも淘汰される側にとってはそれは苦痛であり侵害であることを忘れてはいけない。

これはそういう、どこか暴力的な行為なのだと、理解して、覚悟して行うべき行為なんだと、そう改めて問いかけられているような感覚を受けました。

外交問題は政治家だけの問題ではないんだな、とインターネットが身近になった今、思います。

多くのひとが同じコンテンツを見ることができるようになって、自分たちにとってはどうってことないものでも立場が違えば深く傷ついたり、憤ったりされる。

それはとても身近に起こりうることで、もしかしたら自分自身が加害者にも成りうることがあると思うと知らないことは怖いことだなと改めて思いました。

お互いへの文化の理解や、寄り添いはますます大事になってくるんだと思いました。そしてそれは自分自身でもできることなんだとも。

いきなりは深い知識を得ることは無理でも行動に移すことはすぐできる。だから少しずつでも知ることから始めていきたいなと思いました。

この本を読んで、今でもその土地に残り続ける風習や文化というのはとても貴重なものなんだと改めて思います。

今はかつて栄華を誇っていた文化ですらあっという間に廃れていくんだなと。

旧暦で行っていた行事や、土地ごとの行事、食べ物やことば。

日本文化とは何か、を問われたときに胸を張って言えるようなものはピンと思いつかないなと感じてしまったことが寂しいことだなと思いました。

テレビなどで外国の方のほうが日本文化に詳しかったりする場面をみるとすごいな、という気持ちとじゃあ自分自身は?という気持ちが過ります。

これまでいかに無関心だったのか…と自覚させられました。

これからは自分たちの文化も、他の文化もより深く知っていきたいなと思います。

そういう考えを持たせてくれたこの本と出会えて良かったなと思いました。

 

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